38.レコアの気配

「カミーユがやってくれます。」

「色々厄介をかけたな、ハヤト艦長。」

「ベルトーチカにも同じ事を言われた。」

「いや、それが人と言うものの正しいとらえ方かもしれない。」

「いや、我々の仕事だよ、ハヤト艦長。」

「降りてくる余裕はないな、そう見ておいたほうがいいだろう。」

「衛生軌道上でアーガマを待つさ、ミノフスキー粒子のおかげで、地球上から小さなシャトルを

狙い撃ちは出来ない。」

「アムロ、後の事はよろしく頼む。」

「変わったなアムロ・・・、昔のアムロ・レイに戻ったようだ・・・。」

「いやいや・・・。」

「頼む、アムロ。」

「カミーユ、来い。」

「我々の地球での任務は終わった、無傷で宇宙に戻るのが、今の我々の任務だ。」

「一通り訓練は受けている、カミーユもシャトルの操縦ぐらい習っておいた方がいい。」

「いや、普通のやり方をだ、応用をきかせるのはその後だ。」

「今はクワトロ大尉だ。」

「ハヤトから発進命令が出ていない。」

「目を閉じていれば怖くない。」

「出来ている、そちらの指示に従う。」

「カウントダウンは省略する。」

「む!」

「苦しくはないか?」

「一昔前の人々は、この何倍ものGに耐えながら宇宙に出た・・・。」

「彼らは宇宙にこそ希望の大地があると信じた・・・。

自分達を宇宙に追いやった地球のエリート達を憎むことより、その方がよほど建設的だと考えたのだ。」

「地球の重力を振りきった時、人は新たなセンスを身に付けた。それがニュータイプの開花へとつながった。

そう言う意味では、確かに宇宙に希望はあったのだ・・・。」

「ん?!見えたか?」

「アーガマか・・・。」

「周回軌道に入ったようだ。」

「アーガマ支援の準備だ、来い。」

「カミーユ、大丈夫か?」

「急げ!」

「いいな?」

「バーニアを使いすぎだぞ、バーニアは最後の命綱だ、大事にしろ!」

「何故だ?」

「そうか、ゼータに積んでおけ。」

「シャトルを発進させるぞ。」

「うむ。」

「届いてくれよ・・・。」

「あと15分か・・・、それまでアーガマが持ってくれればな。」

「ノーマルスーツ用の酸素ボンベのスペア、忘れるな。」

「間に合うか・・・?」

「すごいな・・・、よくわかる・・・。」

「わからん、行くぞ!」

「それではゼータが持たん。」

「わかった。」

「アーガマ、メガバズーカランチャーを射出してくれ、聞こえるか?」

「敵艦は?」

「ネモ隊は散開しろ、巻き込まれるぞ!」

「落ちろっ!」

「何故外れた・・・?何故・・・。」

「邪魔をする気配があったのか・・・。」

「元気そうだな。」

「・・・ダカールでは、道化を演じてしまったからな・・・。」

「それは、ブライト艦長にも頼みたいことだ・・・。」