5.父と子と

「人質とガンダムを奪われて、敵は動揺しています。

しかも、我々がまた攻撃を仕掛けるとは思ってはいないでしょう。」

「ガンダムMkUの1機は導入しましょう。」

「ロベルト、アポリーを追わせて下さい。私も間に合えば行きます。」

「誤ることは無い。」

「自分の手で父親を撃てるのか!?」

「フランクリン・ビダン大尉・・・。困ったお方だ・・・。」

「ガンダムMkUの加速性能は抜群だ。」

「当たり前だ。・・・が、フランクリンもなまじの技師じゃない。気をつけろよ。」

「ここまでだな。」

「迷いは自分を殺すことになる!ここは戦場だぞ!」

「カミーユ君!無駄はよせ!」

「君が撃たなくても、いずれ誰かが撃っていたさ・・・。」

「今はいい、また中尉が移動する時は呼ぶ。」

「それはそうだ。君のご両親が地球にお住まいならば、人質に取られているようなものだからな。

君がティターンズに戻る可能性はある。」

「そうだ!今も両親の命を盾に敵が追ってきて、その敵と戦ってきた少年がここにいる・・・。」

「良くわかる話だが・・・。」

「そうだ、そして次の世代の子供たちの為の世作りをしなくてはならない。」

「あるな。」

「・・・・シャア・アズナブルと言う人の事を知ってるかな・・・?

「正確な評論だな・・。が、その言葉からするとその人の言う事なら聞けそうだな。」

「その人はカミーユ君の立場とよく似ている。

彼は、個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破する上で一番重要なことではないのかと感じたのだ。」

「カミーユ君!」

「そうだな・・・。俗人は、ついつい自分はこう言う人を知っていると言いたくなってしまう、やな癖があるのさ。」